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計画地は古くからの住宅地にあり、南から北にかけて斜面を造成した宅地です。そのため、高い位置にある南側隣地に立つ建物に大きく視界や採光をさえぎられた環境でした。この環境で隣地を気にせず過ごせるような明るく風通しのよい家が求められました。また、お客様が生活のしやすさから平屋の住まいを希望されていました。
敷地内で最も日当たりのよい北側にリビングを配置し、中央に設けた中庭から光が注ぐ場所を作りました。その他の部屋は中庭をぐるりと囲むようにし、南側は隣地との間にある斜面の庭を眺められる浴室等の水周りを設けました。各諸室へ行く中庭を囲む廊下は大小の窓が並び、回廊のような雰囲気で家を1周出来ます。各室の開口部はそれぞれ隣地との関係性を考慮しながら高さや大きさなどを決定し、どの部屋からも周囲を気にすることなく空や風が感じられるようにしました。
素材はコルクタイルの床や珪藻土入りの壁紙、左官仕上げの玄関ポーチや無垢の板張りの天井など、ぬくもりのある風合いを大切にしたものを選択。住まい全体を柔らかな雰囲気で統一しました。
また、とにかく暖かい家をとご希望されたこともあり、壁や屋根の断熱材を通常よりも厚いものとし、換気も全熱交換器を採用するなど、熱ロスの少ない高気密高断熱の家を実現しています。