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計画地は幹線道路から1本入ったところにある角地です。2種類の用途地域をまたぐ場所のため、片側の用途地域に課せられた準防火地域の基準に適合する構造とする必要がありました。また、敷地面積が32坪と比較的小さく2面が道路に接していることから、プライバシーを保ちながら良好な住空間を形成することが求められました。
そこで、敷地いっぱいに建てた建物をなるべく内側に開き、外側は閉じる作りを意識しました。ガレージとLDKの間には家の中心となるテラスを配置。テラスは外に面している部分を背丈を越える塀で囲いました。外でありながら屋内のような場所となり、プライバシーを保ちながらも内外をやわらかくつないでくれます。また、準防火地域であるため、延焼のラインの内外では求められる性能が大きく異なります。そこで延焼ライン外となる敷地の中心に窓のサッシを集中させることで、一般地域と同じコストで大開口サッシを使用することが可能になりました。中庭のようなテラスが、家全体に光を届けてくれます。
内部は本来家が持つ構造部材を見せるシンプルな作りに。黒い外観とは対照的に、白く明るい内装となっています。モデルルームであり、住む人が決まっていないことから、間取りも住まい手が後から自分達に合わせて変えることのできる余地を残して計画しました。