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計画地は盛岡市郊外の商業地域と住宅地の中間のような地域に位置し、南面接道の南北に奥行きのある土地です。周辺には大型スーパーや飲食店、学校、住宅が混在しています。
本計画では店舗併用住宅におけるパブリックな場(店舗)とプライベートな場(住居)の距離感について考えています。
奥行きのある敷地形状を生かし、手前にパブリックな場としての店舗を配置し、奥に進むにつれ、寝室や浴室などのプライベートな場となるように計画しています。もともと施主の要望であったパーティーを開ける広いLDKをパブリックとプライベートの中間領域と考え、建物の中心に置き、そのまわりを3つの庭が囲むように配置しています。パブリックな場とプライベートな場の間にバッファーゾーンとして庭を配置することで、繋ぎつつ離れた適度な距離感を創り出しています。3つの庭は南北に奥行きのある配置に対し、各居室に日照と通風を届け、快適な住環境を創る役割も果たしています。
建物の奥を1.5階分床を上げることで、視線が交わることを避けるとともに、大容量の床下収納を確保しています。中間領域としてのLDKから1.5階のホール、2階のスタディコーナー、その奥の子供部屋へと、一続きの空間ながらも、床の高さ・天井の高さに変化があり、それぞれに場所性を与えています。