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stag beetle
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仙台の郊外、街道から伸びる細い田んぼ沿いの道を進んだ先、山々に囲まれた自然の中に建つ平屋建ての木造住宅である。


東側には田園風景が広がり、その奥には川や山並みが連続している。


風がよく抜け、鳥のさえずりや草木の揺らぎまでもが、この場所の風景を形づくっていた。


クライアントは、多くのクワガタムシを飼育しており、生き物と共存する暮らしと、住宅でありながらもどこかカフェのような居場所を求めていた。


そのため計画では、周囲に広がる自然を取り込みながら、人の営みと風景との距離感をどのようにつくるかを主題として考えた。


建築は自然に埋もれるように存在するのではなく、人工的な線や面を静かに風景の中へ置いている。


自然の曲線や揺らぎに対して、人の手による輪郭を差し込むことで、光や風、陰影や季節の変化といった、この土地が本来持っている自然の豊かさがより鮮明に立ち現れるのではないかと考えた。


また、田畑もまた人の営みによって形成された風景であるように、この建築も自然と対立するものではなく、周辺環境の延長として新たな風景をつくり出していくことを目指している。


建物は平屋構成とし、敷地に対して低く水平に広がることで、周囲の山並みや空の広がりを遮らない配置としている。


居住空間とクワガタムシの飼育室は分棟のように配置し、その間には風や光を通す半外部的な“風の道”を設けた。


用途ごとに空間を分節しながらも、一つの線的な屋根によって建築的に緩やかにつなぐことで、風や視線、生き物の気配が建築全体を横断する構成としている。


LDKは東側の田園風景へ大きく開かれ、デッキや開口を介して外部と連続している。


大きく切り取られた開口からは、時間によって変化する光や風景が室内へ入り込み、鳥の声や季節の匂いまでもが暮らしの中へ浸透していく。


住宅でありながらも、どこかカフェのような余白と開放感を持ち、人と自然、生き物と建築が緩やかに共存する場所を目指した。


風景や光、生き物の気配が日常の中へ緩やかに入り込み、この場所ならではの穏やかな時間が積み重なっていくことを願っている。













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