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閑静な住宅街の三叉路に建つ二階建ての木造住宅である。
周辺には住宅が近接して建ち並び、互いの生活がごく薄い距離感のうえに成り立っている。
人の気配や視線、街の空気が緩やかに重なり合う環境の中で、住まいと周辺との関係をどのように築くかが計画の起点となった。
計画では、外部・中庭・住居を明確に切り分けるのではなく、それぞれのあいだに“間”をつくることで、街との距離感を調整している。
外部空間と中庭は、街と住居のあいだに置かれたバッファーとして機能しており、駐車スペースや植栽帯、人が通り抜ける小さな動線を重ねることで、境界に適度な厚みを与えている。
街の気配を受け止めながらも、過度に閉じることなく、静かに暮らしを包み込むやわらかな関係性を目指した。
建物は中庭を住まいの中心に据え、一階のLDKと二階の寝室がそれを囲むように配置されている。
それぞれの空間が中庭を介して緩やかにつながることで、家の中に視線や光、気配の連続性を生み出している。
LDKの開口を開放したときには、内外がひとつの空間として連続し、閉じたときには中庭に溜まった光が室内へ静かに反射していく。
囲まれた小さな庭は、単なる外部空間ではなく、光や陰影を住まいの内部へ届ける“装置”として機能している。
時間帯によって移ろう明るさや光の揺らぎが、空間の中に複数の居場所や距離感を生み出し、暮らしに静かな変化を与えていく。
外構計画では、街に対して過度に閉じることなく、植栽やアプローチによって視線や動線を緩やかに受け止めている。
境界を明確に遮断するのではなく、街と住まいのあいだに中間的な領域を重ねることで、周辺環境との穏やかな接続を目指した。
街と住まいを切り離すのではなく、そのあいだに曖昧な“間”を重ねていくこと。
街と住まい、人と光、内と外が静かに重なり合いながら、この場所ならではの穏やかな時間が積み重なっていくことを願っている。


















