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計画地は丘陵地の造成宅地の端部に位置する法面が多くを占める平坦部の少ない宅地である。斜面の雑木越しの正面には蔵王が、その東側には太平洋が広がる立地条件である。
本計画ではこの眺望をいかした室内空間を敷地の傾斜に添って床レベルを設定したスキップフロアの構成となっている。道路側は平屋のシンプルなが低く延びたポーチがこの風景を切り取る額縁となっている。南側は大きな庇をはりだし、この下に眺望を楽しむ空間がガラスとやわらかい木貼りの壁で包まれる構成とし、内部の吹き抜け空間と呼応する開放的なテラスリビングが広がっている。内部には明るい吹き抜けが外部とつながる空間となっているが、天井や壁面の一部に自然木を使用するなど、伸びやかながら落ち着きと温かみのある空間としている。また、動物好きな家族の一員であるカメや熱帯魚のコーナー、猫の入り口やキャットウォークがもうけられた。また、浴室や和室は落ち着いた坪庭に面しプライバシーを守りながら開放感を味わうことができる。