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築50年近い団地型集合住宅の改修計画である。
当時は企業の社宅として利用されており、全体で40戸近い住戸を持つ建物であった。
しかし時代の変化とともに社宅としての役割は薄れ、徐々に一般賃貸住宅へと転用されていった。
一方で、建物の老朽化や暮らし方の変化に対して十分な更新が追いつかず、入居率は次第に低下し、最終的には全体の1/3程度にまで減少していた。
また、築年数の経過に伴い、配管設備の劣化や設備更新、維持管理コストの増加といった問題も顕在化していた。
そのような状況の中で、現オーナーが建物を取得し、限られた予算の中で外部・内部の改修を行うこととなった。
外部改修では、大規模な外壁更新ではなく、補修と足場を必要としない塗装工事を中心に計画し、建物の印象を更新している。
また、植栽計画とサイン計画を組み合わせることで、周辺環境に対して明るく開かれた印象を与えることを目指した。
建物北側には豊かな緑地が広がっており、その緑へと連続していくようなイメージをもとに、建物の色彩計画を行っている。
さらに、新たに設けた植栽帯によって、周辺の緑と建物との関係を緩やかにつないでいる。
既存の門については、建物の記憶を残す要素として活用した。
表面をビシャン叩きとすることで、当時ならではの粗骨材を多く含んだコンクリートの質感をあらためて現している。
サイン計画では、既存門に埋め込まれていた旧サインを覆うように、帯状のサインを新たに挿入した。
サインの形状は建物の輪郭や構成要素をもとにデザインしたオリジナルのものであり、建物名称だけでなく、住戸表示や案内サインなど、建物全体へ展開している。
各棟のサインには浮かし文字を用い、その背面に蛍光色を施すことで、文字の背後に色が反射し、建物に柔らかな光の印象を与えるよう計画した。
これらの改修によって、かつて周囲に暗い印象を与えていた建物は、植栽とサインを介して周辺環境と関係を結び直し、明るく開かれた景観へと更新されている。
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