×
本計画の敷地は、仙台城下町の北西、深い沢地形の中に位置する。
南側には広瀬川へと連続する水辺緑地が広がり、都市の気配を残しながらも、起伏のある地形と豊かな植生に包まれている。
そして、光や風、水の気配が時間や季節とともに移ろい、日常の中に自然の変化が静かに入り込む環境である。
この場所は緑化保全エリアとして位置づけられ、開発を抑制しながら自然環境の維持が図られている。
同時に、都市と自然のあいだにある「余白」として、人の営みが穏やかに重なり合う場でもある。
建物は、敷地の高低差と周辺環境との関係を受け止め、三層構成とした。
地形の差異を条件として扱うのではなく、空間として取り込むことで、建築の内部に固有の広がりを生み出す。
一階にはガレージと倉庫を配置し、基礎のレベル差をそのまま内部へと引き込み、趣味室として再構成している。
二階は住まいの中心となるLDKをワンルームとして計画し、南側に大きく開いた開口部によって水辺の風景を室内へと導く。
リビングとフラットに連続するテラスは、内外の境界を曖昧にし、生活の領域を外部へと拡張する。
三階には個室などのプライベート空間を配置し、高さを活かして広瀬川や周辺環境を俯瞰的に捉える構成となった。
各階が異なる距離感で川と関係することで、住まいの中に多様な自然との接点が生まれる。
沢地形という固有の条件を受け止めながら、川とともにある暮らしを再解釈する。