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住宅街の通り沿いに位置する、入居率が低下し始めた築古集合住宅の改修計画である。
一階にはカフェと理容室が入居しているものの、外壁の雨だれや経年による汚れによって、建物全体が周囲に対して暗い印象を与えていた。
オーナーは建物を取得後、この印象を刷新し、街に対して開かれた小さなリトリートのような場所へと変えていくことを目指していた。
そのため、エントランスを中心とした共用部改修を行った。
計画にあたっては、若年層の入居者が多いことや、限られた予算の中で効果的に印象を更新することを前提とし、共用通路や階段、ポストまわりなど、人の視線や体験が集中する部分に介入を絞った。
外装は全体を白を基調とした明るい構成としつつ、腰高のラインで色を切り替えることで、建物全体に連続性と落ち着きを与えている。
また、既存の砂利敷きであったアプローチ脇は、砂利の散乱や露出した防草シートによって荒れた印象を与えていたため、植栽帯として再構成した。
割栗石によって緩やかに高さをつくりながら、ポストまわりから階段へと連続するランドスケープを計画している。
サイン計画は鍛金作家の嵯峨卓氏に依頼し、建物入口のサインや住戸番号を一点一点手作業で制作いただいた。
均質になりがちな集合住宅の共用部に、小さな固有性や手触りを与えている。
改修後は建物全体の印象も大きく変化し、通りに対しても明るい表情を持つようになった。
都市の中には、管理が行き届かず、時間とともに印象を損ねてしまう建物が数多く存在している。
しかし、共用部や外構に対する小さな介入の積み重ねによって、建物だけでなく、その周囲の風景や街の空気感までも更新できるのではないだろうか。





















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